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これまでの配当・譲渡益に関する記事において、ほとんどの場合、税引前の金額をベースに計算していました。
「それはおかしい」と考える向きもあったと思いますが、特別な理由があって、、今回はそれに関して書きます。
1.株式の配当・譲渡所得にかかる税金
株式の配当・譲渡所得(売却益)には税金がかかります。
所得税・住民税が20%、それに加えて「復興特別所得税」が0.315%です。トータルで20.315%取られてしまいます。
なお、「復興特別所得税」は東日本大震災からの復興のための財源として徴収する分で、2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間の時限措置ではありますが、あと18年間徴取されます。
2.損益通算について
しっかり取られてしまう税金ですが、取り戻すことができる場合があります。
その1つが、株式売却をして損失が出た場合です。
ぼくは去年、富士通の株式を売却して、約47万円の損失を出しました。
保有株式のうち富士通株の割合が高くなったため、一部を売却して他の銘柄購入に振り向けるため、思い切って損切りしました。
このような場合、確定申告することにより、その他の株式からの配当・譲渡益をその損失と相殺できます。
つまり、配当・譲渡利益を無かったことにできるため、それらから徴取された税金を還付してもらうことができます。
と書いても??ですよね。具体例とともに、以下で説明します。
3.具体的にはどうなるのか
例えば、上記のように2018年に47万円の損失、その他の株式からの配当が10万円あったとすると、確定申告によって10万円の配当に課された税金が戻ってきます。
(注)NISA口座の株式の配当などは対象外です
税率は20.315%ですので、単純計算すると、約2万円が還付されます。
100,000円×0.20315=20,315円
ただ、まだ損失額が37万円分(47万円-10万円)余っています。
4.通算しきれない分を3年間繰り越しできる
損失と配当・譲渡益を相殺できると書きましたが、損失が大きい場合、単年度の配当・譲渡益では相殺しきれず、「枠」が余ってしまいます。
例えば、上記の場合、相殺しても37万円分は「枠」が余ってしまいます。
では、この余った37万円の「枠」は諦めるしかないのでしょうか。。そんなことはありません。
確定申告が必要になりますが、この「枠」を3年間繰り越すことができます。
これを簡単に説明すると以下のとおりです。
説明の都合上、2018年から3年繰り越して、「枠」の余りが0になるような例にしました。
2018年 売却損:47万円 配当:10万円 枠余り:37万円(47万円-10万円)
↓ 【1年繰り越し】
2019年 (なし) 配当:15万円 枠余り:22万円(37万円-15万円)
↓ 【2年繰り越し】
2020年 (なし) 配当:12万円 枠余り:10万円(22万円-12万円)
↓ 【3年繰り越し】
2021年 (なし) 配当:10万円 枠余り:0 (10万円-10万円)
なお、この損益通算は複数の証券会社の損失と利益を通算できます。
例えば、損失を出した株式を野村証券で保有していたとして、野村証券だけではなく松井証券で保有している株式の配当とも相殺できます。
※株価の行方は誰にも分かりません。投資は自己判断で。